「お前さん、大事にされてきたね。」とお医者さんに言われます。
このドラマの中ではグーグーは公園に捨てられていた子猫だったわけですから、それを優しい男性に拾われて麻子さんの元にやって来て15年。
幸せだったと思います。
たくさんの猫は出てくるのかなと思ったら最終回ではちゃんと出てきました。外猫に餌をやる姿も描かれました。
だけれどこのドラマは麻子さんとグーグーの物語なんですね。だからドラマの中で他の猫たちはその名前を誰も呼ばれなかったのでした。
物語は過去の自分とそのエピソードが多くの割合を占めていました。それが今のなんらかと繋がっていくのですが、それは静かに描かれた未来を指示していたように思います。
そして「グーグーだって猫である」で第12回手塚治虫文化賞短編賞受賞しました。その授賞式でかつて自分の周りにいた者たちもそれぞれの道を歩いていて、なんとなく麻子さんはぽつんと一人ぼっちなように見えるのです。そのシーンでも他の編集者に
「またうちでも描いてくださいよ。」と言われると
「なんか疲れちゃって・・・。」
「そうですね。先生のは密度が濃いから。」と言う会話が印象的に心に残りました。